金曜なのでランオフ。





学校の「9月入学・始業」が見送られることとなった。コロナの影響で学校が休校となり学業の遅れを取り戻す策として浮上し、小池都知事が「グローバルスタンダードで、留学生を呼び込むにもプラスになる」と賛同したこともあり、一気に機運が高まった。
しかしながら、議論が進むにつれて諸々の課題が浮き彫りとなり、コロナ対応と並行して推し進めるのは困難との見方が強まり暗礁に乗り上げたというのが、ざっくりした事のいきさつだと理解している。
「こういう時期だからこそ大胆な変革を」というのは分からないでもない。だが、そもそも論として、9月にすることがグローバルスタンダードなのだろうか?
留学を経験した僕からすれば、必ずしもそうは思わない。単に時期を合わせるだけでインバウンドとアウトバウンドの留学生が増えるというのは、根拠のない思い込みに過ぎないと感じる。
日本で教育を受けることが他国と比較して魅力的なのかどうか、日本を飛び出して勉強する必要があるかどうか、だと思う。
はっきり言おう。帰国子女でもない日本のフツーの高校生がアメリカの大学に留学する際、現行の4月入学(3月卒業)に大きなデメリットはなく、むしろ相応のメリットはある。今振り返れば、アメリカの大学入学までの準備期間5か月が、その後にプラスに働いた。
僕の渡米は5月末だった。卒業後は図書館に通い、とにかくボキャブラリーを増やそうと英英辞書片手に英語の文章に触れるようにした。何を血迷ったか、これだけは知っておいたほうが良さそうだってことで(笑)、大統領の名前を完璧に暗記した(当時は42代クリントン大統領まで)。
渡米して、まずは留学生向けの語学研修でみっちり英語漬けの生活。Reading/WritingとListening/Speakingで細かくレベル分けされて、生きた英語を学ぶ。他国からの留学生とのレベルの差を痛感。今まで学校でそれなりに熱を入れて勉強してきた英語は一体なんだったんだろう?と。
9月から新学期。正確には8月末から正式に入学。晴れてfreshmanになった。ところが英語レベルに応じて一般教養科目を受講できるコマ数が決められている。幸い、留学生の受け入れ実績が豊富な大学だったので、この辺りのカリキュラムはしっかりしていた。
1年間は留学生向け英語授業もうけつつの大学生活。
よく言われるように、アメリカは履修主義ではなく修得主義が徹底している。「卒業するまでは帰国しない」ことを約束して両親を説得した手前、僕は夏休みも大学に残って単位を取った。その甲斐あって、3年半で卒業できた。12月末に授業が終わり、卒論を仕上げて、1月末に卒業式。
就職活動が国内にいる学生と比べて不利だったかといえば、そんなことはない。当時からインターンシップという制度が確立していたので、4年生の時は週3回はちゃんとスーツ着て就業体験していた。
国際金融学の専攻だったので、証券会社で個人投資家向けコンサルタントに付きっきりでイロハを学べた。
就職の相談をすると、社内にいる色々なポジションの方を紹介してくれた。インターンの経験を通じて就職の具体的なイメージをつかむことができた。
その延長で現地で働くオプションだってあるし、留学生の採用に積極的な企業が一堂に集うフォーラムも開催されるので、卒業時期と新卒採用の期ずれ問題はない。むしろ、当時はインターンでの経験は大変ウケがよかった。
数か月遅れて大学生になったわけだけど、僕が新卒で入社したのは同期より1か月早い3月だった。単純に学校の時期を合わせることがグローバルスタンダードなんかじゃないと思うんだ。
確かに20年前に比べれば、今は小学校から英語の授業が始まるぐらいだから、単純に比較はできない。でも、日本の英語教育が他国と比べて優れているのだろうか。直ぐに大学の授業についていけるだけの英語力が身についているのだろうか。
時期を合わせることで解決される問題ではない。
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