Apr

07

2020

テレワーク今昔物語

緊急事態宣言が発令されることを受けて、明日からはうちでも原則としてテレワークに完全移行。

極端な言い方をすれば医療関係者でなければ殆どの仕事が不要不急なんだろうけど、うちの場合、クライアントにとっては100年近い創業で初めてとか、当事者にとっては人生に1回あるかないかのモノだったりする。

幸い、どの会社さんでも電話会議やビデオ会議のシステムが導入され問題なく案件が進んでいて、比較的大事な局面でのミーティングも6拠点を繋いで滞りなくこなせた。

僕が社会人になった20年以上前は、スマホなんてなくてガラケーだったし、家のネット環境といえばwi-fiはなく、あったとしてもダイヤルアップ接続。

新入社員には今は懐かしポケベルが支給された。

当時、違う部署の同期入社のコとお付き合いしていて、彼女が帰宅する時間に合わせて例えば「1800」とポケベルを鳴らしてもらい、ロビーで待ち合わせて駅まで見送る時間が、ほぼ毎日タクシー帰りが当たり前で頻繁に徹夜もしていた若手時代においては、何よりの楽しみだった。

そんな最中に見慣れた内線番号が表示されたときは顔が真っ青になって血の気が引いた。恵比寿駅からの動く歩道を猛ダッシュだ(笑)。

また、今と違って、いつどこにいてもメールを見られる環境が整っていなかったので、ボイス・メールというシステムが圧倒的に主流だった。電子メールの音声版。同時に複数に送れるし、返信、転送もできる。

シーンとしては、部門トップや上司がクライアントとのミーティングを終えタクシーで移動する間に、部下やチームメンバーに内容の報告と資料作成の指示をする、というのが多かった。受信すると内線電話機器のランプが灯るので即対応。

“Sending message to B and C, with copy to A. Just met CEO of company X. RFP on Y is due next Monday. Would like to see preliminary draft sometime tomorrow morning”(外資系だったので基本的に英語)。

ざっくりとこんな感じの内容。「BとCに告ぐ。Aにもコピーする。たった今X社の社長とお会いした。Yの件の提案書の締め切りは来週月曜だ。よって、最初のドラフトを明日午前中に見せてくれ。」

Aは大ボスと同行したプロジェクト責任者となる上司、Bが入社3~5年目ぐらいの先輩、Cが一番下っ端の僕のようなチーム編成。

ここでいう「最初のドラフト」とは、Cが作成したものをBがレビュー・手直しし(これを何度か繰り返される)、Aが満足いくレベルのものを意味し、とりあえずまとめてみましたということではない。

そして多くの場合、大ボスが出社した時に彼のデスクに完成度の高い提案書が置いてある状態を指す。大ボスは朝が早い。つまり下っ端は深夜中に終わらせなければならない。終わるまで帰れない。 

僕がいた職場は(もっとも、外資系の中では比較的穏やかで温和なほうだ)超トップダウンのヒエラルキーが存在し、軍隊のような規律と統制があった。

僕には3人の同期がいた。国内新卒2人、海外卒僕含め2人。うち一人は、入社後の夏にNYで行われる研修後、会社を去っていった・・・。

実にシビアだった。特に新人は人気商売。デキルやつが使われる。間に挟まれるBにしてみれば、Cが足手纏いだと自分のポジションが危うくなる。分かりやすい。

もちろん、若手のワークロードを把握する役割のOps Officerという人もいたけど、そんなのは建前であって、実態はデキルやつほど忙しかった。誰の目から見ても明らかだった。

「つぶれる前に言うように」というのが、新人として絶対死守のルールだった。

数年後、スマホの元祖ともいうべきBlackBerryが登場。
04072020.png
社内の連絡手段がボイスからメールに変わった。いつでもどこでもメールを受け取れてしまうという環境が整ってしまったのだ。社内間であっても英語なので、日本語が使えない端末であっても全く問題にならなかった。

当初、日本でこれを使って仕事しているのは非常に限られていたので、一種のステータスであったことは否定しない。僕はCを無事卒業しBになっていたので、サバイバルの証とばかりに、自己肯定するには格好のガジェットだったのだ。

あれから、スマホが普及し、ネットの接続環境も整い、仕事に必要なファイルはクラウドでやり取りできるし、必要とあらば電話やビデオ会議が個人単位でもできる便利な世の中になったもんだ。

それなのに、コロナ・ウイルスなんかに負けてる場合じゃない!

更新の励みになります。
応援クリックお願いします。
にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ

関連記事

<前の記事 | 次の記事>

Tom

やっぱり会社によってカラーってありますよね。クライアントさん側も例えば商社は割と違いがあるように思います。知らないうちに染まっていくんでしょうね・・・。

04

09

17:39

キミ兄

一時業務都合でバイサイドの人と何社かお付き合いさせて頂きましたが、〇ィディリティはメッチャ軍隊チックでしたね~。客側にも伝わりますよね(笑)

04

09

11:45

管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL

http://runnert.blog.fc2.com/tb.php/369-000f761f

プロフィール

Tom

Tom
1975年生まれ 48才
--------------------------------------------------------
・1/2011 ラン開始
・11/2012 サブスリー達成
・3/2015 サブ55達成
・11/2017 サブ50+キロヨンカット達成
・11/2019 サブ45+エイジレコード達成
・11/2022 サブ40達成
・毎年PB更新中

自己ベスト

・フルマラソン
2:38'49 (11/2023 つくば)
・ハーフ
1:16'23 (1/2022 ハイテクハーフ)
・10km
35'10 (10/2021 月例赤羽)
・5km
16'22.4 (7/2023 MxKディスタンス)
・3km
9'53.1 (7/2023 MxK通過点)
・1500m
4'25.4 (6/2023 MxKディスタンス)

カテゴリ

旧ブログへのリンク (12/2014~3/2019)

ブログ内記事検索

ブログ村ランキング

カウンター

ランキングに参加中、クリックお願いします!

Designed by

Ad